モミジバゼラニウムの挿し木
2022年06月30日
鉢植えのモミジバゼラニウムの樹形が乱れてきましたので、切り戻して植え替えと挿し木をしておきました。

フウロソウ科ペラルゴニウム属の半耐寒性宿根草。ピンクの花が咲く「ピンキースター」という品種です。
モミジによく似た葉が特徴で、以前ご紹介したカレンソウは香りを楽しみながら蚊を追い払う?ゼラニウムでしたが、これは葉を観賞するゼラニウムです。
他のゼラニウムに比べて節間が狭く、あまり間延びしませんのでコンパクトにまとまる印象です。

【6月16日】傾いて樹形が乱れてきましたので切り戻して、その剪定枝を挿し木し、ついでに植え替えもしていきます。

葉の無い所で短くカットしても大丈夫、直下の節から脇芽(側芽)が出てきます。
植物ホルモン「サイトカイニン」が側芽の成長を促進させますが、普段は頂芽から分泌される植物ホルモン「オーキシン」が節の部分でサイトカイニンの合成を抑制しています(頂芽優勢)。しかし、頂芽を摘み取ることでサイトカイニンの合成が始まり、側芽が活発に動き出し、新たに頂芽を形成していくことになります。

スッキリしました。これで風通しと日当たりも良くなります。蒸れるのを嫌いますのでタイミングよく切り戻すことができました。
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ゼラニウムは、古い枝は木質化して茶色っぽくなります。挿し穂には緑色した若い枝を使うと発根しやすくなります。
土に埋める部分の下葉を取り除き、

発根にエネルギーを集中させるために蕾や花も取り除き、
蒸散を防ぐために大きい葉は半分にカット。

先端をよく切れるカッターナイフなどで切り直します。滑らかにすることで傷口が早く回復します。

反対側も軽く削ってクサビ形にしておくと、形成層の断面積が広くなります。
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ゼラニウムは茎に水分を溜めていますので、そのまま挿すと切り口から雑菌が侵入し腐敗することがあります(カレンソウはそまま挿しましたが)。念のために日陰で3時間ほど乾燥させました。
その間に、
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地上部(茎)を切りましたので、成長のバランスをとるために地下部(根)も少し切ります。

用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3のブレンド土。根詰まりを起こした訳ではありませんので、見合った大きさの鉢に植え付けます。今回は同じサイズの新しい鉢を使いました。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、大き過ぎる鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、根の量が少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続き、根腐れを起こす原因にもなります。

最後に水やりをして、完成。鉢底から綺麗な水が出るようになるまでたっぷりと。微塵を洗い流しておくと根腐れのリクスを軽減できます。特にゼラニウムは過湿をきらいますので入念に。
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3時間が経ちました。切り口が少し乾いて白っぽくなっていますので挿していきます。

挿し床は9cmポリポットに用土は赤玉土(小粒)の単用。挿し木では腐葉土や肥料は混ぜません。

あらかじめ湿らせておいて、割りばしなどで穴を開けておくと挿しやすく、先端を傷める心配もありません。

普段は、わずかながら茎からの蒸散も防ぐ為に挿し穂の半分を埋めてしまいますが、今回は過湿を避けて1/3ほどを埋める浅埋めにしました。
最後に水やりをして、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。土が乾いてきたら水やりをしながら発根するのを待ちます。

乾燥させましたので少し水分が抜けているところに、水やりの水滴がまとわりついてグッタリしたようになります。が、2時間もすればシャキッと復活します。
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【6月30日】挿して14日後。少し早いですが抜いて見てみました

1本目:発根はしていますがちょっと短めです。

2本目:ビミョーですが、まずまずといったところ。

3本目:長いものは2.5cmあります。挿し穂自体が短いので、これくらいあれば十分です。

少し早めの14日後に抜いたのには理由があって、これは挿し穂の選定一次審査に落ちて、敗者復活して予備で挿していたものの一部。
鉢土の表面を這うように伸びているのを目撃したからです。長い根は約8cm、皮肉にも脇役の方に元気なのがいました…。
木質化した古い枝を付けて挿したものは、教科書通りに緑色した若い枝から主に発根しているのが見て取れます。

根は短いですが鉢上げします。挿して3週間後くらいがちょうど良いのかもしれません。
3号ポリポットに用土は赤玉土(小粒):腐葉土3のブレンドで。元肥に緩効性の化成肥料を適量混ぜて。

高さと位置を決めたら残りの土を足し入れて、最後にたっぷり水やり。しっかり微塵を流し出しておくと根腐れのリスクを軽減できます。

新しい土に根が馴染む2週間ほどは、直射日光を避けて明るい日陰に置いて管理します。過湿を嫌いますので水のやり過ぎには注意します。
今年は例年より早く梅雨が明けましたので、真夏の強光線で葉焼けしないよう、このまま明るい日陰で管理することになりそうです。
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切り戻し

フウロソウ科ペラルゴニウム属の半耐寒性宿根草。ピンクの花が咲く「ピンキースター」という品種です。
モミジによく似た葉が特徴で、以前ご紹介したカレンソウは香りを楽しみながら蚊を追い払う?ゼラニウムでしたが、これは葉を観賞するゼラニウムです。
他のゼラニウムに比べて節間が狭く、あまり間延びしませんのでコンパクトにまとまる印象です。


【6月16日】傾いて樹形が乱れてきましたので切り戻して、その剪定枝を挿し木し、ついでに植え替えもしていきます。
頂芽優勢の打破


葉の無い所で短くカットしても大丈夫、直下の節から脇芽(側芽)が出てきます。
植物ホルモン「サイトカイニン」が側芽の成長を促進させますが、普段は頂芽から分泌される植物ホルモン「オーキシン」が節の部分でサイトカイニンの合成を抑制しています(頂芽優勢)。しかし、頂芽を摘み取ることでサイトカイニンの合成が始まり、側芽が活発に動き出し、新たに頂芽を形成していくことになります。

スッキリしました。これで風通しと日当たりも良くなります。蒸れるのを嫌いますのでタイミングよく切り戻すことができました。
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挿し穂づくり
一般に、挿し木をする前の数日間は晴れの日が続いているのが理想です。葉と茎に貯めた養分を使って発根しますので、日当たりの良い虫などに食われていない元気な枝を挿し穂に使います。▶もくじ
蒸散防止と切り直し


ゼラニウムは、古い枝は木質化して茶色っぽくなります。挿し穂には緑色した若い枝を使うと発根しやすくなります。
土に埋める部分の下葉を取り除き、


発根にエネルギーを集中させるために蕾や花も取り除き、
蒸散を防ぐために大きい葉は半分にカット。


先端をよく切れるカッターナイフなどで切り直します。滑らかにすることで傷口が早く回復します。


反対側も軽く削ってクサビ形にしておくと、形成層の断面積が広くなります。
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切り口を3時間乾燥

ゼラニウムは茎に水分を溜めていますので、そのまま挿すと切り口から雑菌が侵入し腐敗することがあります(カレンソウはそまま挿しましたが)。念のために日陰で3時間ほど乾燥させました。
その間に、
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植え替え


地上部(茎)を切りましたので、成長のバランスをとるために地下部(根)も少し切ります。


用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3のブレンド土。根詰まりを起こした訳ではありませんので、見合った大きさの鉢に植え付けます。今回は同じサイズの新しい鉢を使いました。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、大き過ぎる鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、根の量が少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続き、根腐れを起こす原因にもなります。

最後に水やりをして、完成。鉢底から綺麗な水が出るようになるまでたっぷりと。微塵を洗い流しておくと根腐れのリクスを軽減できます。特にゼラニウムは過湿をきらいますので入念に。
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赤玉土(小粒)単用に挿す


3時間が経ちました。切り口が少し乾いて白っぽくなっていますので挿していきます。

挿し床は9cmポリポットに用土は赤玉土(小粒)の単用。挿し木では腐葉土や肥料は混ぜません。


あらかじめ湿らせておいて、割りばしなどで穴を開けておくと挿しやすく、先端を傷める心配もありません。


普段は、わずかながら茎からの蒸散も防ぐ為に挿し穂の半分を埋めてしまいますが、今回は過湿を避けて1/3ほどを埋める浅埋めにしました。
最後に水やりをして、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。土が乾いてきたら水やりをしながら発根するのを待ちます。


乾燥させましたので少し水分が抜けているところに、水やりの水滴がまとわりついてグッタリしたようになります。が、2時間もすればシャキッと復活します。
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2週間後に鉢上げ

【6月30日】挿して14日後。少し早いですが抜いて見てみました

1本目:発根はしていますがちょっと短めです。

2本目:ビミョーですが、まずまずといったところ。

3本目:長いものは2.5cmあります。挿し穂自体が短いので、これくらいあれば十分です。


少し早めの14日後に抜いたのには理由があって、これは挿し穂の選定一次審査に落ちて、敗者復活して予備で挿していたものの一部。
鉢土の表面を這うように伸びているのを目撃したからです。長い根は約8cm、皮肉にも脇役の方に元気なのがいました…。
木質化した古い枝を付けて挿したものは、教科書通りに緑色した若い枝から主に発根しているのが見て取れます。

根は短いですが鉢上げします。挿して3週間後くらいがちょうど良いのかもしれません。
3号ポリポットに用土は赤玉土(小粒):腐葉土3のブレンドで。元肥に緩効性の化成肥料を適量混ぜて。


高さと位置を決めたら残りの土を足し入れて、最後にたっぷり水やり。しっかり微塵を流し出しておくと根腐れのリスクを軽減できます。

新しい土に根が馴染む2週間ほどは、直射日光を避けて明るい日陰に置いて管理します。過湿を嫌いますので水のやり過ぎには注意します。
今年は例年より早く梅雨が明けましたので、真夏の強光線で葉焼けしないよう、このまま明るい日陰で管理することになりそうです。
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