食べたメロンの種を鉢植え(1)種まき~育苗
2020年05月08日
久しぶりにメロンの種をまいてみました。
・1回「種まき~育苗」
・2回「定植~摘心」
・3回「整枝~交配」
・4回「摘果~ネット」
・5回「収穫~追熟」の5部構成で、今回は第1回です。

今回も高知県産のメロンから採種します。F2種になりますので親と同じメロンには育ちませんし、ただでさえ温度管理や水分管理が難しいメロン栽培ですから期待はしていません(ハードルを下げておきます)。5年前は収穫前に失敗撤収していますので、なんとか最後まで続けられたらと思います。
T字のアンテナ(つる)が枯れ始めて、実のお尻を押すと少しへこみますので食べごろのようです。

【5月05日】採りまき(種を保存しないですぐにまくこと)します。1/4個に切ると種は取り出しやすくなります。果肉には発芽抑制物質が含まれていると考えられていますので、ザルの金網にこすりつけながら念入りに水洗いしました。カビの発生防止にもなります。
▶もくじ

前回は濡れ新聞密閉法でしたが、今回はキッチンペーペーを用います。水を少し張ったタッパーに、二つ折りにしたものをシワにならないように敷いて、

種を並べていきます。先端の厚みが薄く尖っている側から根が出てきますので、同じ向きに合わせておくと比べたり取り出す際に楽になります。
まき終わったら、もう一枚二つ折りキッチンペーパーを乗せて種をサンドします。この方が殻が柔らかくなり開きやすくなる気がしますが、さて。完全に水に浸かってしまうと種は窒息しますので、余分な水は傾けて排出します。

ふたを閉めて乾燥しないようにしておきます。メロンの種は嫌光性種子ですので、光が当たると発芽が抑制されます。同じウリ科のキュウリやスイカ、ナス科のナスやトマト、ピーマンなども嫌光性種子です。
濡れ新聞密閉法では、分厚い新聞紙を折って種をサンドしましたので光の侵入を阻止できましたが、タッパーとキッチンペーパーの組み合わせでは光を通してしまいますので、黒い布や段ボールなどで覆ってやります。
▶もくじ

【5月07日】54時間後と60時間後です。

【5月08日】66時間後と72時間後です。

72時間後現在、10粒中7粒が発芽しました。より早くより長く根を伸ばす生命力が強いと思われるベスト3を選抜します。
(108時間後までに残りの3粒も発芽しました。一番早いものから54時間のタイムラグが生じました。芽出しまき風の利点がもう一つ、発芽がそろうまでヤキモキしなくても済む点です。)
根は5~6mmですが早めにまき(植え付け)ます。芽出ししたものは不自由なく根を伸ばしますのでひ弱になりやすく、なるべく早い段階で土にまいてやると、土を押しのける本来の接触刺激により根張りがよくなります。
【1】生育が旺盛ですので12cmポットに、用土は市販の花と野菜の土7:赤玉土(小粒)3の割合でブレンドしたものを使います。
市販の土100%ではピートモスが水をはじいて1回の水やりだけでは表面しか湿らず、土を混ぜながら根気よく水やりするか、水を張った容器に入れて底面給水するかで手間と時間が掛かります。赤玉土を混ぜることで排水性・通気性がグンと向上します。
【2】土は少なめにして、事前にジョウロで水を掛けておきます。
【3】爪楊枝で細い穴を開けておき、
【4】根を差し込んで土に乗せます。
【5】嫌光性種子ですので、10mm程度の覆土をして暗闇を続行します。また、土を押しのけることで茎が丈夫になります。
【6】最後にまた水やりをして、完了です。3本をポットで育苗します。子葉が地上に顔を出したら、良く日の当たる場所に移動します。
今回は鉢栽培で、最終的には10号鉢に定植する予定です。ポットで育苗して根鉢を大きくしてから大きい鉢に植え付けると生育がよくなります。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、小さい苗をいきなり10号鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、枝分かれの少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続き、根腐れを起こす原因にもなります。
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【5月12日】子葉が開きました。種まき(芽出し)から1週間、ポットまきから3日後の11日早朝に土が盛り上がり、夕方に子葉が顔を覗かせてから最後の苗が開き終わったのが翌12日午後3時、二日がかりの大仕事でした。

種の大きさが10mm、出芽して子葉が開き終わった時点で片側は15mmになっていました。日に当てながら、本葉3.5枚(4枚目の出始め)まで育苗します。

発芽したメロンには茎と根の境目に「ツメ」のような組織があり、殻を押さえて子葉が抜け出しやすい構造になっています。

ほとんどの種が、このように上手くできるのですが、

ツメが引っかからないと、しばらくは頭に殻が乗っかったままになります。
(成功した方は、ポットまきしたあと土は被せずに、疑似的に段ボールで暗闇を3日間経験させたケース。失敗した方は、ポットまきしたあと土は被せずに、すぐに明るい日陰に3日間置いていたケース。)
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子葉は日に日に大きくなり、出芽から3日後の15日には片側が長さ30mmに、その2日後には35mmに。

【5月19日】種まきから2週間後、出芽から1週間後、子葉(片側)は45mmになり、12mmほどの本葉1枚目が顔を覗かせてきました。
ウリ科の子葉は、貯蔵した養分を発芽で使った後も葉のように大きく展開して、光合成をしながらしばらく栄養供給を続けます。

【5月22日】種まきから17日後、出芽から10日後、本葉1枚目が完全に開きました。成長途中ですが大きさは42mm、2枚目も出始めて12mmです。子葉もまだ成長していて50mmになりました。
ポットに種を2~3粒まいた場合は、この頃に間引いて1本立ちさせます。これから本葉が本格的に光合成を始めますので、水やり代わりに液体肥料を与えておきました。市販の培養土は肥料入りですが、週1回液体肥料を与える予定です。

【5月26日】種まきから3週間後、出芽から2週間後、本葉2枚目がもう開きました。本葉1枚目は85mm、2枚目は55mmに。4日で43mm伸びている計算です。3枚目と4枚目も顔をのぞかせ(写真)、それぞれ15mmと6mm。子葉もまだ成長して58mmになり、子葉の両付け根にはわき芽も出てきました。
葉が白っぽく見えるのは、子葉にうどんこ病らしき兆候がみられましたので、殺菌剤ダコニール1000の希釈液を昨日散布したからです。つる枯れ病の予防にと、定植直前に散布する予定でしたが少し早まりました。
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【6月04日】5月5日の種まきから30日が経ちました。本葉1枚目は9.5cm、2枚目は12.0cm、3枚目は10.5cm、4枚目は6.0cmに。

3株ともまずまずで、定植の目安となる本葉3.5枚が完成しましたので育苗は今日まで、明日10号鉢に植え付けようと思います。
うどんこ病はその後は蔓延は見られず、ここまではとりあえず無事に。F2種ですから特に病気や害虫に弱いので、この先どんな試練が待ち受けているやら。ま、自分で蒔いた種ですから…。
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動画はこちらです
※ 画面をクリックするとYouTubeサイトに移動します

・1回「種まき~育苗」
・2回「定植~摘心」
・3回「整枝~交配」
・4回「摘果~ネット」
・5回「収穫~追熟」の5部構成で、今回は第1回です。
種はよく洗ってから

今回も高知県産のメロンから採種します。F2種になりますので親と同じメロンには育ちませんし、ただでさえ温度管理や水分管理が難しいメロン栽培ですから期待はしていません(ハードルを下げておきます)。5年前は収穫前に失敗撤収していますので、なんとか最後まで続けられたらと思います。
T字のアンテナ(つる)が枯れ始めて、実のお尻を押すと少しへこみますので食べごろのようです。


【5月05日】採りまき(種を保存しないですぐにまくこと)します。1/4個に切ると種は取り出しやすくなります。果肉には発芽抑制物質が含まれていると考えられていますので、ザルの金網にこすりつけながら念入りに水洗いしました。カビの発生防止にもなります。
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濡れキッチンペーパー密閉法


前回は濡れ新聞密閉法でしたが、今回はキッチンペーペーを用います。水を少し張ったタッパーに、二つ折りにしたものをシワにならないように敷いて、


種を並べていきます。先端の厚みが薄く尖っている側から根が出てきますので、同じ向きに合わせておくと比べたり取り出す際に楽になります。
まき終わったら、もう一枚二つ折りキッチンペーパーを乗せて種をサンドします。この方が殻が柔らかくなり開きやすくなる気がしますが、さて。完全に水に浸かってしまうと種は窒息しますので、余分な水は傾けて排出します。


ふたを閉めて乾燥しないようにしておきます。メロンの種は嫌光性種子ですので、光が当たると発芽が抑制されます。同じウリ科のキュウリやスイカ、ナス科のナスやトマト、ピーマンなども嫌光性種子です。
濡れ新聞密閉法では、分厚い新聞紙を折って種をサンドしましたので光の侵入を阻止できましたが、タッパーとキッチンペーパーの組み合わせでは光を通してしまいますので、黒い布や段ボールなどで覆ってやります。
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発芽させてからポットまき
54時間後(2日後の夕方)に発芽しました。最初からポットに何粒かまけば良い話ですが、発根の様子がわかるので遊びがてら。この「芽出しまき」風ですと、確実に発根したもの、同じような成長度のものを選ぶことができ、間引きの手間も省けます。

【5月07日】54時間後と60時間後です。


【5月08日】66時間後と72時間後です。

72時間後現在、10粒中7粒が発芽しました。より早くより長く根を伸ばす生命力が強いと思われるベスト3を選抜します。
(108時間後までに残りの3粒も発芽しました。一番早いものから54時間のタイムラグが生じました。芽出しまき風の利点がもう一つ、発芽がそろうまでヤキモキしなくても済む点です。)
根は5~6mmですが早めにまき(植え付け)ます。芽出ししたものは不自由なく根を伸ばしますのでひ弱になりやすく、なるべく早い段階で土にまいてやると、土を押しのける本来の接触刺激により根張りがよくなります。
【1】生育が旺盛ですので12cmポットに、用土は市販の花と野菜の土7:赤玉土(小粒)3の割合でブレンドしたものを使います。
市販の土100%ではピートモスが水をはじいて1回の水やりだけでは表面しか湿らず、土を混ぜながら根気よく水やりするか、水を張った容器に入れて底面給水するかで手間と時間が掛かります。赤玉土を混ぜることで排水性・通気性がグンと向上します。
【2】土は少なめにして、事前にジョウロで水を掛けておきます。
【3】爪楊枝で細い穴を開けておき、
【4】根を差し込んで土に乗せます。
【5】嫌光性種子ですので、10mm程度の覆土をして暗闇を続行します。また、土を押しのけることで茎が丈夫になります。
【6】最後にまた水やりをして、完了です。3本をポットで育苗します。子葉が地上に顔を出したら、良く日の当たる場所に移動します。
今回は鉢栽培で、最終的には10号鉢に定植する予定です。ポットで育苗して根鉢を大きくしてから大きい鉢に植え付けると生育がよくなります。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、小さい苗をいきなり10号鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、枝分かれの少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続き、根腐れを起こす原因にもなります。
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二日がかりの子葉展開

【5月12日】子葉が開きました。種まき(芽出し)から1週間、ポットまきから3日後の11日早朝に土が盛り上がり、夕方に子葉が顔を覗かせてから最後の苗が開き終わったのが翌12日午後3時、二日がかりの大仕事でした。

種の大きさが10mm、出芽して子葉が開き終わった時点で片側は15mmになっていました。日に当てながら、本葉3.5枚(4枚目の出始め)まで育苗します。
番外編

発芽したメロンには茎と根の境目に「ツメ」のような組織があり、殻を押さえて子葉が抜け出しやすい構造になっています。


ほとんどの種が、このように上手くできるのですが、


ツメが引っかからないと、しばらくは頭に殻が乗っかったままになります。
(成功した方は、ポットまきしたあと土は被せずに、疑似的に段ボールで暗闇を3日間経験させたケース。失敗した方は、ポットまきしたあと土は被せずに、すぐに明るい日陰に3日間置いていたケース。)
▶もくじ
途中経過


子葉は日に日に大きくなり、出芽から3日後の15日には片側が長さ30mmに、その2日後には35mmに。


【5月19日】種まきから2週間後、出芽から1週間後、子葉(片側)は45mmになり、12mmほどの本葉1枚目が顔を覗かせてきました。
ウリ科の子葉は、貯蔵した養分を発芽で使った後も葉のように大きく展開して、光合成をしながらしばらく栄養供給を続けます。


【5月22日】種まきから17日後、出芽から10日後、本葉1枚目が完全に開きました。成長途中ですが大きさは42mm、2枚目も出始めて12mmです。子葉もまだ成長していて50mmになりました。
ポットに種を2~3粒まいた場合は、この頃に間引いて1本立ちさせます。これから本葉が本格的に光合成を始めますので、水やり代わりに液体肥料を与えておきました。市販の培養土は肥料入りですが、週1回液体肥料を与える予定です。


【5月26日】種まきから3週間後、出芽から2週間後、本葉2枚目がもう開きました。本葉1枚目は85mm、2枚目は55mmに。4日で43mm伸びている計算です。3枚目と4枚目も顔をのぞかせ(写真)、それぞれ15mmと6mm。子葉もまだ成長して58mmになり、子葉の両付け根にはわき芽も出てきました。
葉が白っぽく見えるのは、子葉にうどんこ病らしき兆候がみられましたので、殺菌剤ダコニール1000の希釈液を昨日散布したからです。つる枯れ病の予防にと、定植直前に散布する予定でしたが少し早まりました。
▶もくじ
育苗終了

【6月04日】5月5日の種まきから30日が経ちました。本葉1枚目は9.5cm、2枚目は12.0cm、3枚目は10.5cm、4枚目は6.0cmに。

3株ともまずまずで、定植の目安となる本葉3.5枚が完成しましたので育苗は今日まで、明日10号鉢に植え付けようと思います。
うどんこ病はその後は蔓延は見られず、ここまではとりあえず無事に。F2種ですから特に病気や害虫に弱いので、この先どんな試練が待ち受けているやら。ま、自分で蒔いた種ですから…。
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