アジサイの剪定と植え替え
2019年06月19日
花が終盤を迎えましたので、鉢植えガクアジサイの剪定と植え替えをしておきました。
1.1 花後すぐ 遅くても8月上旬までに
1.2 アジサイの花芽は「混合花芽」
1.3 花下2~3節目あたり
2 植え替え
2.1 鉢は大きすぎず小さすぎず
3 植物は暑さ寒さの訪れを前もって知っている

挿し木4年生のガクアジサイ、手入れを怠っていたら花数は少なく、茎もひ弱で花も小さく咲きました。剪定せずにおくと背丈が伸びで花の咲く位置が高くなって見栄えが悪くなりますので、花が終わり次第剪定してやります。
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ちなみに、ヤマアジサイは6月一杯、遅くても7月上旬です。南国愛媛の我が家のガクアジサイは毎年花後すぐか6月末までには剪定を済ませています。花がまだ咲いていて切るのは惜しいと迷ったときは、花瓶に生けて鑑賞すれば剪定時期を逃すことはありません。
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これは後に花が咲いた地植えのガクアジサイのものです。花後に剪定した所のわき芽が晩秋までの間に数センチだけ伸びて落葉し、その後成長をストップして花芽の状態のままで冬を越します。春になって気温が上昇すると、ここから茎や葉を出し、数十センチ伸びて最終的に先端に花を付けます。
桜の花などのように花芽がそのまま蕾になるのが「純正花芽」、アジサイのように花芽から新梢(茎や葉)が展開し最後に蕾を付けるものを「混合花芽」と呼びます。わき芽が混合花芽になるか葉っぱだけの葉芽になるかは、花芽が作られる秋までに充実した枝に育てることが重要で、そのために早めの剪定を心がけます。
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さっそく切り戻します。花のすぐ下の1節目にはわき芽がありません。これ以外の節にはわき芽がありますので、背を高く育てたい場合は2節目で、低くこじんまりと育てたい場合は3節目から下で切り戻します。あまり下の方だとわき芽が小さいか無い場合がありますので注意します。
今回は現状より少しだけ大きくしたいので3節目のわき芽の上で切り戻しました。過去の経験から、来年は高さが1.3倍程度になると見込んでいます。今年花が咲かなかった枝は、同じ程度の高さに切り詰めておきました。
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現在の5号鉢よりも一回り大きい6号鉢に植え替えます。一回りは1号3cmを目安にしますので、直径が15cmから18cmになります。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、大き過ぎる鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、枝分かれの少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続くことになり、根腐れを起こす原因にもなります。

鉢から抜いてみると、2年植え替えをしていませんので根がパンパンです。生育期ですのであまり根は触りたくなかったのですが、今回は特別に固い根を切り周りをほぐしておきました。

用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合。鉢の1/3ほど用土を入れ、根鉢を乗せて位置と高さを決めたら残りの土を足し入れます。

すき間ができないよう鉢を地面にコンコンしながら土を詰めて、最後にたっぷり水やりをしたら

完成です。根が土に馴染む2週間ほどは明るい日陰で管理し、その後は徐々に日に当てて通常の管理に戻します。今年はちゃんと施肥をして、充実した枝に育てるよう心がけます。
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余談ですが、“植物は暑さ寒さの訪れを前もって知っている”と言われています。6月の夏至を過ぎて夜の長さが長くなり始めると、やがて1年で一番暑い8月を迎えます。12月の冬至を過ぎると夜の長さがだんだん短くなり、やがて1年で一番寒い2月を迎えます。
葉っぱで昼と夜の長さを測ることで、暑さ寒さの訪れを約2か月前に知ることができるのです。暑さに弱い植物は春に花を咲かせて夏を種で過ごし、寒さに弱い植物は秋に花を咲かせて冬を種で過ごすという戦略です。なかなか侮れません…。
-参考:植物学「超」入門(田中修著)-
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もくじ
1 切り戻し1.1 花後すぐ 遅くても8月上旬までに
1.2 アジサイの花芽は「混合花芽」
1.3 花下2~3節目あたり
2 植え替え
2.1 鉢は大きすぎず小さすぎず
3 植物は暑さ寒さの訪れを前もって知っている
切り戻し


挿し木4年生のガクアジサイ、手入れを怠っていたら花数は少なく、茎もひ弱で花も小さく咲きました。剪定せずにおくと背丈が伸びで花の咲く位置が高くなって見栄えが悪くなりますので、花が終わり次第剪定してやります。
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花後すぐ 遅くても8月上旬までに
花芽は夏から準備を始め、10~11月頃には完成されるようですので、切り戻すのが遅れると翌年に花が咲かないか花数が少なくなることがあります。ガクアジサイ・アジサイ(ホンアジサイ)は花後すぐか遅くとも8月上旬までに済ませておきます。ちなみに、ヤマアジサイは6月一杯、遅くても7月上旬です。南国愛媛の我が家のガクアジサイは毎年花後すぐか6月末までには剪定を済ませています。花がまだ咲いていて切るのは惜しいと迷ったときは、花瓶に生けて鑑賞すれば剪定時期を逃すことはありません。
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アジサイの花芽は「混合花芽」


これは後に花が咲いた地植えのガクアジサイのものです。花後に剪定した所のわき芽が晩秋までの間に数センチだけ伸びて落葉し、その後成長をストップして花芽の状態のままで冬を越します。春になって気温が上昇すると、ここから茎や葉を出し、数十センチ伸びて最終的に先端に花を付けます。
桜の花などのように花芽がそのまま蕾になるのが「純正花芽」、アジサイのように花芽から新梢(茎や葉)が展開し最後に蕾を付けるものを「混合花芽」と呼びます。わき芽が混合花芽になるか葉っぱだけの葉芽になるかは、花芽が作られる秋までに充実した枝に育てることが重要で、そのために早めの剪定を心がけます。
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花下2~3節目あたり



さっそく切り戻します。花のすぐ下の1節目にはわき芽がありません。これ以外の節にはわき芽がありますので、背を高く育てたい場合は2節目で、低くこじんまりと育てたい場合は3節目から下で切り戻します。あまり下の方だとわき芽が小さいか無い場合がありますので注意します。
今回は現状より少しだけ大きくしたいので3節目のわき芽の上で切り戻しました。過去の経験から、来年は高さが1.3倍程度になると見込んでいます。今年花が咲かなかった枝は、同じ程度の高さに切り詰めておきました。
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植え替え
アジサイは生育が旺盛ですので、すぐに鉢の中が根で一杯になり根詰まりを起こしやすくなります。1年に1回は植え替えるようにします。適期は花後すぐ、または剪定直後です。植え替えのシーズンを迎え、今一度頭の隅に入れておくために、個別記事に分散していた内容を一つにまとめてみました。もくじ1 植え替えが必要なわけ 1.1 根は酸素も吸っている...
鉢は大きすぎず小さすぎず

現在の5号鉢よりも一回り大きい6号鉢に植え替えます。一回りは1号3cmを目安にしますので、直径が15cmから18cmになります。
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、大き過ぎる鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、枝分かれの少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続くことになり、根腐れを起こす原因にもなります。


鉢から抜いてみると、2年植え替えをしていませんので根がパンパンです。生育期ですのであまり根は触りたくなかったのですが、今回は特別に固い根を切り周りをほぐしておきました。


用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合。鉢の1/3ほど用土を入れ、根鉢を乗せて位置と高さを決めたら残りの土を足し入れます。


すき間ができないよう鉢を地面にコンコンしながら土を詰めて、最後にたっぷり水やりをしたら

完成です。根が土に馴染む2週間ほどは明るい日陰で管理し、その後は徐々に日に当てて通常の管理に戻します。今年はちゃんと施肥をして、充実した枝に育てるよう心がけます。
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植物は暑さ寒さの訪れを前もって知っている
まもなく昼の長さが一番長い夏至を迎えます。令和元年の夏至は6月22日です。余談ですが、“植物は暑さ寒さの訪れを前もって知っている”と言われています。6月の夏至を過ぎて夜の長さが長くなり始めると、やがて1年で一番暑い8月を迎えます。12月の冬至を過ぎると夜の長さがだんだん短くなり、やがて1年で一番寒い2月を迎えます。
葉っぱで昼と夜の長さを測ることで、暑さ寒さの訪れを約2か月前に知ることができるのです。暑さに弱い植物は春に花を咲かせて夏を種で過ごし、寒さに弱い植物は秋に花を咲かせて冬を種で過ごすという戦略です。なかなか侮れません…。
-参考:植物学「超」入門(田中修著)-
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