アザレアの八重咲き
2018年04月08日
ツツジに先立ち、先月後半からアザレアが咲き始めています。

4月に入ってポツポツと庭のツツジも咲き始めました。花は先端が5裂して1枚に合着した合弁花です。雌しべは1本、雄しべは10本あります。

日本や台湾からタイワンツツジやケラマツツジ、サツキの園芸品種などがヨーロッパに渡り、特にベルギーやオランダなどで品種改良されたのがアザレアです。
9年前の冬に鉢植えを購入し、3年ほどは鉢植えのままでしたが、数年前から地面を転々と放浪させて、2年前にここに移植して定着させました。購入翌年には矮化剤も効かなくなって背丈が伸びると思っていましたが、地面に植え付けてからも大きくならず、現在でも樹高は20cm強です。鉢植えにはもってこいの植物ですが、南方系のツツジを親に持ちますので、ツツジよりも少し耐寒性が劣ります。
▶もくじ

以前は一重も混じったハイブリッド仕様?でしたが、現在のところは八重咲きオンリーです。八重咲きについては先日からABCモデルを引き合いに出していますが、このアザレアの八重は教科書通りでとても分かりやすいです。

花の構造は外側から順に「ガク」「花弁」「雄しべ」「雌しべ」と同心円状に並びますが、その配置を決めているのがA、B、Cという3つの遺伝子です。
A遺伝子だけが働くと「ガク」が、
AとB遺伝子が働くと「花弁」が、
BとC遺伝子が働くと「雄しべ」が、
C遺伝子だけが働くと「雌しべ」ができます。
A遺伝子とC遺伝子はお互いの働きを抑制する関係にあり、どちらかの遺伝子が機能を失うともう一方がその領域を補完するように働きます。例えば、C遺伝子の発現が弱くなると A遺伝子が雄しべの領域まで達し、本来は雄しべになる場所が花弁に変化して八重になります。
さらにC遺伝子が欠損するとA遺伝子が雌しべの領域まで達し、雌しべの代わりにがくを作ります。雌しべを作る指令を出す遺伝子は、雌しべができると新たな器官が出来ないようにする働きがありますが、C遺伝子が欠損するとこの作用が働かなくなります。
また、C遺伝子が抑制していた細胞分裂を促進する遺伝子が働くことで花の内側に新たな花が作られ、それが繰り返す構造になります。内側の花はガクと花弁が交互に作られたり、花弁だけであったり、雄しべの特徴も兼ね備えた中間的な器官になることもあります。
さて、アザレアの場合はどうか見てみましょう、

この花はA遺伝子が雄しべの領域まで完全進出できなかったのか弁化に失敗し、雄しべが半分残ってしまった花弁や、先端に葯だけがポツンと残った花弁も見られます。

勝手にイメージ…

こちら(右側)の花弁には雄しべの名残は一切なく、完璧な八重咲きですが1個のはずの雌しべの柱頭が3裂して3個あります。もしかしたら、A遺伝子が雌しべの領域にもちょっかいを出して、雌しべをガクに変化させようと企てたのかも知れませんネ(ガクは5裂ですが)。

想像するだけで楽しくなります、合ってるかどうかは別にして…
いずれにしても、我が家にあるアザレアの場合は雄しべだけが弁化して、雌しべは残るタイプですのでとても理解しやすい八重咲きです。
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ツツジの花の中をしげしげと見つめたことがありませんでしたが、よく観察してみると雄しべが花弁化しようとしているものがあります。現在咲いている28個の花の内、6個に雄しべの花弁化(いずれも未遂)が見られました。元々が突然変異しやすい植物なのかも知れませんネ。
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ツツジ科ツツジ属


4月に入ってポツポツと庭のツツジも咲き始めました。花は先端が5裂して1枚に合着した合弁花です。雌しべは1本、雄しべは10本あります。

日本や台湾からタイワンツツジやケラマツツジ、サツキの園芸品種などがヨーロッパに渡り、特にベルギーやオランダなどで品種改良されたのがアザレアです。
9年前の冬に鉢植えを購入し、3年ほどは鉢植えのままでしたが、数年前から地面を転々と放浪させて、2年前にここに移植して定着させました。購入翌年には矮化剤も効かなくなって背丈が伸びると思っていましたが、地面に植え付けてからも大きくならず、現在でも樹高は20cm強です。鉢植えにはもってこいの植物ですが、南方系のツツジを親に持ちますので、ツツジよりも少し耐寒性が劣ります。
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八重の出現:ABCモデル


以前は一重も混じったハイブリッド仕様?でしたが、現在のところは八重咲きオンリーです。八重咲きについては先日からABCモデルを引き合いに出していますが、このアザレアの八重は教科書通りでとても分かりやすいです。

花の構造は外側から順に「ガク」「花弁」「雄しべ」「雌しべ」と同心円状に並びますが、その配置を決めているのがA、B、Cという3つの遺伝子です。




A遺伝子とC遺伝子はお互いの働きを抑制する関係にあり、どちらかの遺伝子が機能を失うともう一方がその領域を補完するように働きます。例えば、C遺伝子の発現が弱くなると A遺伝子が雄しべの領域まで達し、本来は雄しべになる場所が花弁に変化して八重になります。
さらにC遺伝子が欠損するとA遺伝子が雌しべの領域まで達し、雌しべの代わりにがくを作ります。雌しべを作る指令を出す遺伝子は、雌しべができると新たな器官が出来ないようにする働きがありますが、C遺伝子が欠損するとこの作用が働かなくなります。
また、C遺伝子が抑制していた細胞分裂を促進する遺伝子が働くことで花の内側に新たな花が作られ、それが繰り返す構造になります。内側の花はガクと花弁が交互に作られたり、花弁だけであったり、雄しべの特徴も兼ね備えた中間的な器官になることもあります。
さて、アザレアの場合はどうか見てみましょう、


この花はA遺伝子が雄しべの領域まで完全進出できなかったのか弁化に失敗し、雄しべが半分残ってしまった花弁や、先端に葯だけがポツンと残った花弁も見られます。

勝手にイメージ…

こちら(右側)の花弁には雄しべの名残は一切なく、完璧な八重咲きですが1個のはずの雌しべの柱頭が3裂して3個あります。もしかしたら、A遺伝子が雌しべの領域にもちょっかいを出して、雌しべをガクに変化させようと企てたのかも知れませんネ(ガクは5裂ですが)。

想像するだけで楽しくなります、合ってるかどうかは別にして…
いずれにしても、我が家にあるアザレアの場合は雄しべだけが弁化して、雌しべは残るタイプですのでとても理解しやすい八重咲きです。
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ツツジにも弁化現象


ツツジの花の中をしげしげと見つめたことがありませんでしたが、よく観察してみると雄しべが花弁化しようとしているものがあります。現在咲いている28個の花の内、6個に雄しべの花弁化(いずれも未遂)が見られました。元々が突然変異しやすい植物なのかも知れませんネ。
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