植え替えが必要なワケと植え替えの方法
2018年03月18日
植え替えのシーズンを迎え、今一度頭の隅に入れておくために、個別記事に分散していた内容を一つにまとめてみました。
1.1 根は酸素も吸っている
2 鉢増しをする
2.1 見合う大きさの鉢に
2.2 根鉢は崩さずそのまま
2.3 植え付け
2.4 メリット・デメリット
3 同じサイズの鉢を使う
3.1 根鉢を崩してから
3.2 植え付け
3.3 メリット・デメリット
4 まとめ
根は土の中で水や栄養分だけでなく酸素を吸って二酸化炭素を出しています。水やりをすることで、水に含まれる新しい空気(酸素)が土の中に供給され、鉢底から古い空気(二酸化炭素)が押し出されます。ところが、雨や水やりを重ねていくうちに古い土の団粒構造が壊れて通気性や排水性が悪くなると、新鮮な空気が土に入らず、溜まった二酸化炭素で根は酸欠状態になります。
【団粒】赤玉土などのように小さい粒が集まった土のことで、土と土の間に隙間があり新しい空気が入り込みます。反対に、微塵などの細かい土(単粒)には隙間がなく、水を含むと泥化し乾くと固まるので空気が入らず、通気性も排水性も悪くなります。

※微塵が多いと粒と粒の間に入り込み隙間を埋めてしまいます。団粒構造を復活させるために植え替えが必要になります。
また、鉢の中で根が一杯になり詰まってくると空気の層がなくなり根が窒息します。水切れを起こしやすくなり生育が鈍ったり根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。それを防ぐためにも植え替えが必要になってきます。

※共に葉が枯れたり落ちたりして枯れる寸前でした。
以上のことから、根の成長が早い植物では1年、通常は2年に1回は植え替えが必要とされています。
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鉢から株を抜いたら根鉢は崩しません。(根が回って根鉢が固くなっている場合は、そのままでは根の張りが悪くなりますので、表面をほぐして余分な根をハサミで切り取っておきます。)
鉢底に用土を少し入れてから植え付けます。排水性と保水性の良い「赤玉土+腐葉土」のブレンド土を使っています。
▶もくじ

根鉢を置いて植え付ける高さを調整したら、用土を足していきます。鉢の縁をトントン叩いたり、鉢を持って軽く地面にトントンすると余分な隙間が埋もれカサが減りますので、ウォータースペースを確保して残りの用土を入れます。

最後にたっぷりと水やりをしたら完成です。4号ポリポットから5号プラスチックの普通鉢に植え替えました。
※鉢底石が排水性を高める効果が期待できるのは6号鉢(18cm)以上からですので、5号鉢以下の普通鉢(口径と高さがほぼ同じ鉢)を用いる時は鉢底石は必要ありません。5号鉢以下でも深鉢(口径よりも高さが長い縦長の鉢)や市販の培養土(保湿性の高いものが多い)を使う場合は敷くのも良いかも知れません。
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メリット
根鉢を崩さないので簡単にできる
すぐに元の日当たりの良い場所で管理できる
(根をほぐしたり切った時は明るい日陰で2週間管理)
根鉢が大きくなるので立派な株に育つ
デメリット
どんどん鉢が大きくなって場所をとるようになる
鉢が余ってくる
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新しい用土を補充するスペースを作るために根鉢の周囲を1/3ほど崩し、傷んだ根や腐った根があれば取り除き、長い根は少し切り詰めます。
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鉢底に用土流出と虫の侵入防止用にネットを敷いて用土を少し入れておきます。崩した根鉢を置いて高さを調整したら、トントン・コンコンしながら土を足し入れます。
※昔は割りばしなどの細い棒を使って用土を突いて隙間を埋めるのが主流でしたが、近頃では「NHK趣味の園芸」でもあまり見かけなくなりました。赤玉土が潰れ微塵が増えてしまうからでしょう、トントン・コンコンで十分だと思います。

最後に、鉢底から出る濁った水が透明の水に変わるまでたっぷりと水やりをします。たっぷりやることで赤玉土がギュッと締まり株元も安定します。ぐらつくからと言って用土を指で強く押してしまうと赤玉土が潰れ排水性が悪くなりますので、その時は支柱を使って固定します。
根を切りましたので、長く伸び過ぎた茎は負担を減らすためにも少し切り戻しておきました。
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メリット
根を切るので新しい活発な根が伸びて来る
今以上に場所をとらない
鉢を再利用できる
デメリット
2週間ほどは明るい日陰で管理しないといけない
これ以上の立派な株立ちは望めない
古い土が貯まって処分に困る
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また、根を触られたくない植物もあれば、切っても全然へっちゃらな植物もありますので、性質を知ったうえで行うと失敗することはほとんどありません。
“一部内容は『別冊NHK趣味の園芸 よくわかる土・肥料・鉢』(日本放送出版協会)を参照しました”
▶もくじ
もくじ
1 植え替えが必要なわけ1.1 根は酸素も吸っている
2 鉢増しをする
2.1 見合う大きさの鉢に
2.2 根鉢は崩さずそのまま
2.3 植え付け
2.4 メリット・デメリット
3 同じサイズの鉢を使う
3.1 根鉢を崩してから
3.2 植え付け
3.3 メリット・デメリット
4 まとめ
植え替えが必要なわけ
根は酸素も吸っている
根は土の中で水や栄養分だけでなく酸素を吸って二酸化炭素を出しています。水やりをすることで、水に含まれる新しい空気(酸素)が土の中に供給され、鉢底から古い空気(二酸化炭素)が押し出されます。ところが、雨や水やりを重ねていくうちに古い土の団粒構造が壊れて通気性や排水性が悪くなると、新鮮な空気が土に入らず、溜まった二酸化炭素で根は酸欠状態になります。【団粒】赤玉土などのように小さい粒が集まった土のことで、土と土の間に隙間があり新しい空気が入り込みます。反対に、微塵などの細かい土(単粒)には隙間がなく、水を含むと泥化し乾くと固まるので空気が入らず、通気性も排水性も悪くなります。


※微塵が多いと粒と粒の間に入り込み隙間を埋めてしまいます。団粒構造を復活させるために植え替えが必要になります。
また、鉢の中で根が一杯になり詰まってくると空気の層がなくなり根が窒息します。水切れを起こしやすくなり生育が鈍ったり根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。それを防ぐためにも植え替えが必要になってきます。


※共に葉が枯れたり落ちたりして枯れる寸前でした。
以上のことから、根の成長が早い植物では1年、通常は2年に1回は植え替えが必要とされています。
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鉢増しをする
現在の鉢よりも一回り(または二回り)大きい鉢に植え替える方法です。一回りは3cmを目安にしますので、3号鉢なら4~5号鉢へ、4号鉢なら5~6号鉢へと1号(3cm)または2号分大きい鉢を用意します。大きく成長させたい時や生育旺盛な植物、購入直後の鉢花などもこの方法で植え替えます。見合う大きさの鉢で
根は鉢にぶつかると、そこで枝分かれして育っていく性質がありますので、大き過ぎる鉢に植えてしまうと根が鉢になかなかぶつからず、枝分かれの少ない弱々しい株になります。また、湿った土の多さに比べて吸い上げる水の量が少ないので鉢土が乾かない状態が長く続き、根腐れを起こす原因にもなります。根鉢はそのまま


鉢から株を抜いたら根鉢は崩しません。(根が回って根鉢が固くなっている場合は、そのままでは根の張りが悪くなりますので、表面をほぐして余分な根をハサミで切り取っておきます。)
鉢底に用土を少し入れてから植え付けます。排水性と保水性の良い「赤玉土+腐葉土」のブレンド土を使っています。
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植え付け


根鉢を置いて植え付ける高さを調整したら、用土を足していきます。鉢の縁をトントン叩いたり、鉢を持って軽く地面にトントンすると余分な隙間が埋もれカサが減りますので、ウォータースペースを確保して残りの用土を入れます。


最後にたっぷりと水やりをしたら完成です。4号ポリポットから5号プラスチックの普通鉢に植え替えました。
※鉢底石が排水性を高める効果が期待できるのは6号鉢(18cm)以上からですので、5号鉢以下の普通鉢(口径と高さがほぼ同じ鉢)を用いる時は鉢底石は必要ありません。5号鉢以下でも深鉢(口径よりも高さが長い縦長の鉢)や市販の培養土(保湿性の高いものが多い)を使う場合は敷くのも良いかも知れません。
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メリット・デメリット
同じサイズの鉢を使う場合との比較です。メリット


(根をほぐしたり切った時は明るい日陰で2週間管理)

デメリット


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同じサイズの鉢を使う
同じ大きさの鉢(色違いとか)や元の鉢を使う方法です。これ以上大きい鉢にしたくない時や剪定ついでに植え替えたい時、生育がスローな植物に適しています。根鉢を崩してから


新しい用土を補充するスペースを作るために根鉢の周囲を1/3ほど崩し、傷んだ根や腐った根があれば取り除き、長い根は少し切り詰めます。
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植え付け


鉢底に用土流出と虫の侵入防止用にネットを敷いて用土を少し入れておきます。崩した根鉢を置いて高さを調整したら、トントン・コンコンしながら土を足し入れます。
※昔は割りばしなどの細い棒を使って用土を突いて隙間を埋めるのが主流でしたが、近頃では「NHK趣味の園芸」でもあまり見かけなくなりました。赤玉土が潰れ微塵が増えてしまうからでしょう、トントン・コンコンで十分だと思います。


最後に、鉢底から出る濁った水が透明の水に変わるまでたっぷりと水やりをします。たっぷりやることで赤玉土がギュッと締まり株元も安定します。ぐらつくからと言って用土を指で強く押してしまうと赤玉土が潰れ排水性が悪くなりますので、その時は支柱を使って固定します。
根を切りましたので、長く伸び過ぎた茎は負担を減らすためにも少し切り戻しておきました。
▶もくじ
メリット・デメリット
鉢増しをする場合との比較です。メリット



デメリット



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まとめ
植え替えは真夏と真冬を除けば一年中可能ですが、植物にとっては負担になりますので、できるだけ適期に行うようにします。園芸本などに書かれている期間は関東基準ですので、南国愛媛では春の植え替えは半月~1月前倒しで、秋の植え替えは逆に遅らせると丁度適期になります。また、根を触られたくない植物もあれば、切っても全然へっちゃらな植物もありますので、性質を知ったうえで行うと失敗することはほとんどありません。
“一部内容は『別冊NHK趣味の園芸 よくわかる土・肥料・鉢』(日本放送出版協会)を参照しました”
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