ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    ネギの粘液で免疫力パワーアップ

    2017年03月25日
     ネギがピンで登場するのは初めてです。

     ネギはヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属(APG植物分類体系)で、中央アジアを原産とする常緑多年草の球根植物です。

    ネギ1
     こちらでは、ネギといえばこの万能ネギ(細ネギ)のことを指します。薬味として、うどんにそうめん、チャーハンや卵かけご飯にetc. たっぷりと使います。

    ネギ2 ネギ3
     地上部の青い葉を必要に応じて順次摘み取りながら周年収穫しています。摘み取るとすぐに新芽が伸びてきて、また球根(鱗茎)が分球して増えていきます。3年ほどプランターで栽培していたものを、トマトのコンパニオンプランツとして2012年に移植して以来、間もなく5年になります。トマト苗の植え付け位置に合わせて、こちらの都合で移植することはありますが、ほぼ放任で手間がかかりません。

     コンパニオンプランツとしての働きは2019年のコンパニオンプランツ記事をご覧いただくとして、今回は『食用』としての恐るべきネギパワーをご紹介したいと思います。

     三重県津市にある『農業・食品産業技術総合研究機構』で、ネギの粘液(ヌル)に免疫系を活性化する作用のあることが、初めて科学的に実証されました。昨年の12月にNHKの情報番組『ガッテン』で「インフル・肺炎・がんに効く 世界で発見!驚異のネギパワーSP」と題して放送されましたので存知の方も多いと思いますが、ご存知でない方に遅ればせながら内容の一部をご紹介いたします。

     ネギの青い部分を食べると免疫三銃士がパワーアップ
     免疫三銃士とは
      IgA抗体
      唾液などに含まれ細菌やウィルスを取り囲みやっつける
      マクロファージ
      体内に侵入した細菌やウィルスを異物とみなしパクパク食べて処理する
      ナチュラルキラー細胞
      がん細胞など体内に発生した異常な細胞を発見して攻撃する

     研究所ではヌルを動物や人に摂取してもらい体に起きる変化を調べたところ、
      IgA抗体が1.5倍
      マクロファージは5倍
      ナチュラルキラー細胞は3~4倍活性化
     したそうです(どれくらいの量で効果が出るかは現在研究中とのこと)。

    ネギ4
    ネギ5 ネギ6
     ネギの白い部分ではなく、青い部分に含まれる「ヌル」と呼ばれる粘液にその効果があるそうです。直径1cmほどの細いネギでも、切ると少しだけ出てきます。乾燥しかけた葉でも、水に濡らして内側を爪でしごくと半透明状に付着していました。

     この免役力UP効果は、ネギを加熱しても冷凍しても変わらないといいますから、調理をする上でもとてもありがたいことですね。しかも私は知らず知らずの内にこの恩恵にあずかっていたと思うと嬉しくなります。

     白ネギしか食べていないけど…安心してください!

    ネギ7 ネギ8
     ネギを切ったときに酵素と反応してできる香り成分アリシンは、青ネギよりも白ネギに多く含まれています。鼻に入ると血管を拡張して血流を良くし抵抗力を高めることから、風邪予防にも効果があると言われています。ただし、加熱するとアリシンは生成されないそうですので、生で食べるのが良いようです。香りを嗅ぐだけでも効果があるそうで、風邪を治すのに切り込みを入れた「ネギの首巻き」という古くからの民間療法がありますが、迷信ではなかったんですね。

     白ネギにヌルはどうなのか…安心してください!

     白ネギの先端に付いている緑の葉にもヌルがあるそうです。固くて太くてゴワゴワしていますが、上の写真(細ネギですが)でもあるように、水に濡らしてしごいてみてください。ヌルが残っているのがわかります。この部分を捨てずに、細かく刻むなどして調理すれば、「免疫三銃士」の活性化を期待できるそうです。
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