ホオジロの子育て イクメン&ヘルパー
2015年08月02日
庭のツツジの木にホオジロが巣を作り、ヒナ3羽が本日無事に巣立ちました。今日までの20日間の記録をご紹介いたします。
7月5日(日)の朝、ホオジロの番(つがい)が庭にやって来て、バベの木2本やツツジの木を行ったり来たり。しばらくするとオスが枝をくわえてツツジの木の中に入って行くではありませんか。ノラネコや、地球上で、いやこの宇宙で一番キライなニョロに食われては大変と、巣作りをお断りしておきました。
その後は姿を見ることもなく安心していたら、7月14日ツツジから飛び出すホオジロを2度発見。これはおかしいとツツジの木の中を探索してみると、

いつの間にやら巣を作り、卵を3個産んでいました。しまった!と思いつつも、こうなったらもう外敵から守ってやるしかありません。ネコやニョロが嫌うという木酢液を購入して、2~3日おきにツツジの周りや侵入しそうなところへ撒きました。ホオジロ自身はこの酸っぱい焼け焦げた匂いは平気な様子。そしていつでもヤツらを撃退できるよう投石用の小石と園芸用支柱を手元に置いて。

これはホオジロのメスです。メスは名前の由来となる頬の白い線ははっきりとしていません。抱卵はメスの仕事で、通常60分卵を抱いて、30分休憩(食事や糞)するそうです。これはちょうど休憩に出たところです。
その後、大変なことが起きてしまいました。7月14日のこの日を最後に、メスが抱卵を放棄してしまったのです。後日、逆算して分かったことは、7月11日に1個目を、12日に2個目を、13日に3個目を産卵。ホオジロは全産卵後に抱卵を開始しますので、13日から抱卵を始めたことになります。巣に気付いたのが14日、それまでも側を幾度と通っていますし、14日もうっかりして驚かし、巣から2度飛び出しました。これが原因なのか、それとも出先で外敵に襲われたのか。ホオジロの場合はオスは抱卵しませんので万事休す・・・と諦めていたら、

なんということでしょう!オスが抱卵を始めたではありませんか。何度も観察を続けましたがメスの姿は一度も確認できず、巣を出入りするのはオスのみです。約60分(最短40分、最長80分)卵を抱いて、約30分(最短10分、最長40分、一番多いのが20分前後)で戻ってきます。ホッとしたものの1匹だけで子育てできるのか心配になってきました。ウグイスはメスだけで育てるそうですが。
抱卵から約11日で孵化するそうで予定日は7月23日です。この日の午前7時にはまだ1羽も孵化していませんでしたが、夕方に親鳥の出入りが不規則になったので覗いてみると、

15時57分現在、3羽のヒナが孵化していました。オスがせっせとエサの青虫やバッタを運んでいます。ホオジロの世界でもイクメンが流行っているのかなぁ、などと思っていると、

7月24日、なんとメスが巣の近くのゴヨウマツの下で羽繕いをしていました(過去にも番で何度か訪れたお気に入りの場所)。戻って来たのかと思ったら、5分も経たないうちに姿を消しました(その後2度と目にすることはありませんでした)。とりあえず無事で居てくれて安心しました。ということは、私が驚かしたのが抱卵放棄の原因だと確定した瞬間でもありますが。
観察を続けていると、わずか1~2分で戻ってきたり、さっき出ていったのにまた出ていったりと、何かどこかおかしいことに気付きました。巣から5m離れた部屋の中でカメラを三脚に固定して謎を解いてみることに。するとどうでしょう、別のオスがもう1匹子育てに参加していることが解りました。片親に何かあった場合、その子供や他の若鳥が子育てを助ける場合があるそうで“ヘルパー”と呼ぶそうです(ツバメにはそのような子育てがあったような記憶が)。


親鳥は目の上の白いラインが後ろまでくっきりしていますが、ヘルパーのそれは後ろ側が一部切れています。巣に戻る動作にも違いがあって、親鳥は樹上の巣のすぐ横へ直行しますが、ヘルパーは庭石に降りて、ツツジの株元の枝から入り、上へ登っていきます。
一体どんな鳴き声や仕草でこの事態を伝えたんでしょうね、「ホオジロ語講座」があったら是非受講してみたいです。そんなこんなで色んな事がありました。ここで巣立ちまでの巣の中の様子を一機に掲載いたします。





孵化から約11日で巣立つことは調べて分かっていたものの、こんなにまだ幼いのでもう数日かかるのかなと思っていたら、撮影してから30分後の午前7時31分に巣立ちました。
エサを与えに戻ってから親鳥がなかなか出ていかず、「もしかして」と待ち構えていました。


親鳥が地面に降りて盛んに鳴き始めました。カメラとは反対側に飛び立つというか地面に着地して、その後ガジュマルに飛び移りました。これが巣立ち1号です。続いて2羽目がツツジの枝先に出てきました。そして最後に下の枝からも3羽目が。

巣立ちの様子を見に来たスズメと親鳥のバトル。大きさはほぼ互角です。心配していたイソヒヨドリの襲撃はありませんでした。




このあとは3羽が散り散りに庭の中を飛んだり跳ねたりで移動して、親鳥は位置確認に大忙しでずっと鳴き続けていました。しばらく経ってヘルパーも参加しエサを与えていました。この時に気が付きましたが、ヒナの鳴き声を始めて聞いたような。巣の中でエサをもらっていた時にはスズメやツバメのヒナのようにピーピーと鳴いていなかったような…。

午後3時頃には庭から姿を消しました。近くで親鳥の声が聞こえますので、そう遠くには行っていないようです。巣立ち後30日ほどで親の縄張りから去るそうです。
もう私は守ることはできません。あとは無事に成長できるよう祈るばかりです。気苦労が多かったので居なくなるとなんだか寂しくなってきますね。静寂さと空になった巣と、炎天下の草引き作業を残していってくれました。
【備忘録】


ツツジの木、地上1mの位置、外側の茂った枝、巣の外径10cm、内径6.5cm、産卵3個、抱卵後11日で孵化3羽、孵化後11日で巣立ち3羽。※メスが抱卵放棄後にオスが抱卵。孵化後オスのヘルパーが参加。
7月5日(日)の朝、ホオジロの番(つがい)が庭にやって来て、バベの木2本やツツジの木を行ったり来たり。しばらくするとオスが枝をくわえてツツジの木の中に入って行くではありませんか。ノラネコや、地球上で、いやこの宇宙で一番キライなニョロに食われては大変と、巣作りをお断りしておきました。
その後は姿を見ることもなく安心していたら、7月14日ツツジから飛び出すホオジロを2度発見。これはおかしいとツツジの木の中を探索してみると、
知らぬ間に巣作り&産卵

いつの間にやら巣を作り、卵を3個産んでいました。しまった!と思いつつも、こうなったらもう外敵から守ってやるしかありません。ネコやニョロが嫌うという木酢液を購入して、2~3日おきにツツジの周りや侵入しそうなところへ撒きました。ホオジロ自身はこの酸っぱい焼け焦げた匂いは平気な様子。そしていつでもヤツらを撃退できるよう投石用の小石と園芸用支柱を手元に置いて。


これはホオジロのメスです。メスは名前の由来となる頬の白い線ははっきりとしていません。抱卵はメスの仕事で、通常60分卵を抱いて、30分休憩(食事や糞)するそうです。これはちょうど休憩に出たところです。
その後、大変なことが起きてしまいました。7月14日のこの日を最後に、メスが抱卵を放棄してしまったのです。後日、逆算して分かったことは、7月11日に1個目を、12日に2個目を、13日に3個目を産卵。ホオジロは全産卵後に抱卵を開始しますので、13日から抱卵を始めたことになります。巣に気付いたのが14日、それまでも側を幾度と通っていますし、14日もうっかりして驚かし、巣から2度飛び出しました。これが原因なのか、それとも出先で外敵に襲われたのか。ホオジロの場合はオスは抱卵しませんので万事休す・・・と諦めていたら、
代わってオスが抱卵 ホオジロ界のイクメン


なんということでしょう!オスが抱卵を始めたではありませんか。何度も観察を続けましたがメスの姿は一度も確認できず、巣を出入りするのはオスのみです。約60分(最短40分、最長80分)卵を抱いて、約30分(最短10分、最長40分、一番多いのが20分前後)で戻ってきます。ホッとしたものの1匹だけで子育てできるのか心配になってきました。ウグイスはメスだけで育てるそうですが。
抱卵から約11日で孵化するそうで予定日は7月23日です。この日の午前7時にはまだ1羽も孵化していませんでしたが、夕方に親鳥の出入りが不規則になったので覗いてみると、

15時57分現在、3羽のヒナが孵化していました。オスがせっせとエサの青虫やバッタを運んでいます。ホオジロの世界でもイクメンが流行っているのかなぁ、などと思っていると、


7月24日、なんとメスが巣の近くのゴヨウマツの下で羽繕いをしていました(過去にも番で何度か訪れたお気に入りの場所)。戻って来たのかと思ったら、5分も経たないうちに姿を消しました(その後2度と目にすることはありませんでした)。とりあえず無事で居てくれて安心しました。ということは、私が驚かしたのが抱卵放棄の原因だと確定した瞬間でもありますが。
観察を続けていると、わずか1~2分で戻ってきたり、さっき出ていったのにまた出ていったりと、何かどこかおかしいことに気付きました。巣から5m離れた部屋の中でカメラを三脚に固定して謎を解いてみることに。するとどうでしょう、別のオスがもう1匹子育てに参加していることが解りました。片親に何かあった場合、その子供や他の若鳥が子育てを助ける場合があるそうで“ヘルパー”と呼ぶそうです(ツバメにはそのような子育てがあったような記憶が)。




親鳥は目の上の白いラインが後ろまでくっきりしていますが、ヘルパーのそれは後ろ側が一部切れています。巣に戻る動作にも違いがあって、親鳥は樹上の巣のすぐ横へ直行しますが、ヘルパーは庭石に降りて、ツツジの株元の枝から入り、上へ登っていきます。
一体どんな鳴き声や仕草でこの事態を伝えたんでしょうね、「ホオジロ語講座」があったら是非受講してみたいです。そんなこんなで色んな事がありました。ここで巣立ちまでの巣の中の様子を一機に掲載いたします。
ヒナの成長記録










孵化から約11日で巣立つことは調べて分かっていたものの、こんなにまだ幼いのでもう数日かかるのかなと思っていたら、撮影してから30分後の午前7時31分に巣立ちました。
エサを与えに戻ってから親鳥がなかなか出ていかず、「もしかして」と待ち構えていました。
巣立ち




親鳥が地面に降りて盛んに鳴き始めました。カメラとは反対側に飛び立つというか地面に着地して、その後ガジュマルに飛び移りました。これが巣立ち1号です。続いて2羽目がツツジの枝先に出てきました。そして最後に下の枝からも3羽目が。


巣立ちの様子を見に来たスズメと親鳥のバトル。大きさはほぼ互角です。心配していたイソヒヨドリの襲撃はありませんでした。








このあとは3羽が散り散りに庭の中を飛んだり跳ねたりで移動して、親鳥は位置確認に大忙しでずっと鳴き続けていました。しばらく経ってヘルパーも参加しエサを与えていました。この時に気が付きましたが、ヒナの鳴き声を始めて聞いたような。巣の中でエサをもらっていた時にはスズメやツバメのヒナのようにピーピーと鳴いていなかったような…。

午後3時頃には庭から姿を消しました。近くで親鳥の声が聞こえますので、そう遠くには行っていないようです。巣立ち後30日ほどで親の縄張りから去るそうです。
もう私は守ることはできません。あとは無事に成長できるよう祈るばかりです。気苦労が多かったので居なくなるとなんだか寂しくなってきますね。静寂さと空になった巣と、炎天下の草引き作業を残していってくれました。
【備忘録】




ツツジの木、地上1mの位置、外側の茂った枝、巣の外径10cm、内径6.5cm、産卵3個、抱卵後11日で孵化3羽、孵化後11日で巣立ち3羽。※メスが抱卵放棄後にオスが抱卵。孵化後オスのヘルパーが参加。
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