ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    夕方にトマトの葉が内側に巻き込む現象

    2015年06月02日
     昨日の夕方、アジサイの開花状況が気になり見に行った時のことです。ミニトマトの主枝の成長点付近の葉だけがクルリンと巻き込んでいる姿にハッとしました。水平支柱に誘引する前の、まだまっすぐ上に向いた内に撮影しておこうと、今朝から記録を採ってみました。


    夕方になると葉がくるりん

    とまと1
     【06時】手元の温度湿度計で、気温23.0℃、湿度80.4%、葉は正常。

    とまと2
     【12時】気温28.2℃、湿度63.9%、葉はまだ正常。

    とまと3
     【15時】気温28.6℃、湿度61.3%、少し巻き始めてきました。

    とまと4
     【16時】気温26.9℃、湿度66.8%、さらに巻いてきました。

    とまと5
     【17時】気温26.4℃、湿度68.9%、こんなんなりました。

    とまと6
     ここまで巻くか・・・というくらい巻いています。雨が降ってきましたし、これがたぶんMAXです。

     先日、成長の具合は良好とお伝えしたばかりでした。まとまった雨の後に、一気の養分吸収で「肥料(窒素)過多になった?」かと思いましたが、日中は正常でしたので違う原因なのかと。『現象には必ず理由がある』…この現象を調べてみました。

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    一種の就眠運動

     「トマト 葉が巻き込む」で検索すると、当然ながら殆どが「肥料過多」「ウィルス病」の結果になりますが、合致しそうな『実に興味深い』記事がありました。

     一種の就眠運動ではないかというのです。就眠運動とは「植物の葉や花などが、昼夜の周期的明暗によって開閉などの運動反応を示すことで、睡眠運動、昼夜運動ともいう。運動の原因が細胞の膨圧の変化による場合(膨圧運動)と、成長率の変化による場合(成長運動)とがある」(日本大百科全書ニッポニカ)

     有名なところでは、オジギソウの葉(膨圧運動:接触)やタンポポの花(成長運動:光)、チューリップの花(成長運動:温度)などのアレですね。 

     葉の巻き込みは、葉や葉柄の上面だけが成長して起こる現象で、上偏成長と呼ばれるもので、トマトに限らず色んな植物で見られるそうです。これにはエチレンやオーキシン、体内時計が関与しているそうで、専門用語が増えると『さっぱり分からない』。

     側枝では起きていない理由は不明のままです。ともあれ、トマトが夕方になると成長点付近の葉を巻き込む現象は普通のことなんだとか。日中は光合成でデンプンを作って糖に代え夜は果実にその糖分を送って甘くしたり、成長が盛んな根や茎、葉に送ったりして、植物も眠りながら成長しているんですね。

     参考サイト=「みんなのひろば」日本植物生理学会、他

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    日中復活していれば正常

     話を元に戻しまして、説明書きも無しに巻き込んだ写真だけを見ると間違いなく「窒素過多」の症状と同じです。日中でもこの姿で、これに黄緑色の葉が多い場合は間違いなくソレですが。日中「お皿を伏せた程度の曲がり具合」まで復活していれば「正常」です。トマト栽培歴8年なのに初めて気づきました。まだまだ観察力が足りませんネ。でもまた一つトマトの性質を知ることができました。『実に面白い』。

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