ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    ネジバナの右巻き・左巻き

    2014年07月12日
     巨大化した2本のマーガレットの間に埋もれ、移植救出作戦を試みたネジバナ(ラン科)が順調に咲き始めました。高さ40cm、花穂の長さ15cmでこれまでと変わらない大きさです。

    ネジバナ1 ネジバナ2
     6月20日、気がついたらすでに花茎が上がり始めていました。6月28日、蕾がはっきりとしてきましたが「巻きの方向」はまだ不明。

    ネジバナ3 ネジバナ4
     7月02日、花が咲き始めました。我が家のネジバナは7月上旬から咲き始めます。7月10日、螺旋がはっきりしてきました。台風の影響もなく、ピンとしています。

     ネジバナは不思議な花で右巻き・左巻きの両方があります。中には巻かないものや、途中から巻き方を変えるものもあるそうです。右巻き・左巻きについては私はこれまで間違った見方をしていました。偶然にも違う巻き方をしている2本が並んで咲いていますので、これで見ていくことにいたします。

    ネジバナ5-2
     Aのネジバナは右巻き、Bは左巻きです。 
     これまではAは左巻きだと思っていました。理由は花が左を軸にしながら左上へ左上へと左カーブを描きながら咲いていくからです。

     ネジバナの気持ちになって?螺旋階段を上るみたいに内側で一緒に動いてしまうと間違うことになります。動かずに外側から観察すると、こちらから見える花は右へ咲き進みます。これを右巻きと呼ぶそうです。
     
     アサガオは“現在”は「右巻き」と表現するのが標準となっていますが、古くは左巻きと言われた時期もあったとか。しかし、文部省・日本植物学会「学術用語集 植物学編」(1956年刊行、1990年増訂版)ではアサガオは「右巻き」とされ、これが公式な定義となっているそうです。 『広島の植物ノート 特集-Ⅰ つる植物の右巻きと左巻き(詳細版)』 にこのあたりの歴史的経緯や巻き方の見方などが詳しく解説されています。

     右巻き・左巻きとは別に「Z巻き」「S巻き」という表現があり、これには解釈の違いは生まれません。

     こちらから見える部分が↗右上に向かっていくのをアルファベットのZに見立てZ巻き。逆に↖左上に向かっていくのをSの字に見立てS巻き。なぜZとSかというと、文字の中央の / 斜線の向きが螺旋のこちら側から見えている部分と一致するから。(『Wikipedia』)

     上の写真ではAのネジバナはZ巻き、BのネジバナはS巻きです。

    ねじ サザエ
     写真左の右ネジはZ巻き、写真右はサザエ、9割が右巻きといわれる巻貝ですがこれもZ巻きです。

    アサガオ ヘクソカズラ
     写真左のアサガオはZ巻き、写真右のヘクソカズラはS巻きです。何の躊躇もなく、見たまんまです。
     右巻き・左巻き表現でいうと「学術用語集 植物学編」の公式定義によりアサガオは右巻きと前述しました。従ってS巻きのヘクソカズラは左巻きということになります。

     右巻きか左巻きかというと見る方向や解釈の違いでとかく混乱しがちですが、Z巻き・S巻きという便利な表現方法もあることを初めて知りました。頭の弱い“左巻き”の私にはちょっと救われる表現法です。
    関連記事