ミニトマト2本仕立て:わき芽の活用法
2014年06月24日
主にミニトマトを栽培しています。トマトの赤い成分は抗酸化物質リコピン。抗酸化作用はβカロチンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上だそうです。ミニトマトにはそのリコピンやビタミンCが大玉の2倍含まれていますので、同じ量を食べるならミニトマトの方が美容と健康には良さそうです。また、ミニトマトは丈夫で長期間栽培できるのも魅力です。
トマトを栽培するうえで手間といえば「わき芽かき」と「誘引」くらいでしょうか。手間という程でもありませんが、放置するとアッという間に伸びてしまいます。実を大きくするために、また風通しを良くし病害虫被害にあわないようかきとります。
悪者扱いしがちな「わき芽」ですが、うまく利用するケースもあるんですよね。

トマト棚方式で育てますので「2本仕立て」で行っています。わき芽を全部とって主枝1本だけで栽培するのを「1本仕立て」、わき芽を1本残して主枝との2本で行うのが「2本仕立て」です(トマト栽培を始めた頃はこの言葉の意味がよくわかりませんでした)。
すべての葉のつけ根からわき芽は伸びてきますが、花房直下のわき芽は特に成長が旺盛ですので、この性質を利用して第1花房直下のわき芽を伸ばして「側枝」にしています。ミニトマトは丈夫ですのでさらに3本仕立て、4本仕立て、実の品質を問わなければ複数本も可能ですが、本数が多くなればなるほど広い場所と管理する手間が必要になってきます。
このトマト棚は枝を4本まで吊ることが可能ですので1株の4本仕立てもできますが、苗にトラブルがあった場合に備えて「2本仕立てを2株」(計4本)としています。
一昨年は異常主茎・めがねに悩まされました。肥料過多(窒素)によって起こる生理障害で、窒素のフン詰まり症状です。めがね以降の花房では落花(果)や肥大不良が増えます。
対策の一つとして敢えて複数のわき芽を伸ばしジャングル状態にして根が吸い上げる窒素を分散させる作戦をとりました。急きょ株元に植えたネギ、種まきしたコマツナと共に窒素「吸援隊」として活躍、少し症状が治まってからわき芽の成長点を摘みました。

トマトは葉を3枚つけて花房を付ける性質があります(3葉1花房性)。実際は4枚や5枚出てくるのも珍しくはありません。が、葉が1枚か2枚で花房が付いたら要注意です!芯止まりといって成長点が無くなってしまい、以降花房ができなくなるそうです。めがね症状でも芯止まりを起こす場合もあるそうですが、そこまでの被害はありませんでした。
もし芯止まりになっても慌てずに済むように、先端の花房直下のイキの良いわき芽をスペアとして少しの間温存しておきます。万が一にも芯止まりしてしまったらこの温存わき芽を新たな芯にすれば良いのです。写真のように葉が3枚付いて花房ができているのを確認してからわき芽を摘んでも遅くはありません。通常わき芽は5cm以内で摘むのが良いそうで、このケースではまだ約4cmほどでした。
上記「その3」が生理障害的原因なのに対して、こちらはうっかり先端を折ってしまったとか、オオタバコガの幼虫に茎に侵入されて先端が枯れたりする場合で、用心する度合いはこちらの方が高いです。
ただ厄介なのは、これらを予測してわき芽を温存しておく、なんてことができない点です。でもまだ諦めなくても良いんです。わき芽は1回摘んでもまた同じところから出てきますからそれを利用するのです。
普段なら2回目からの成長はやや緩慢になりますが、先端の成長点を失った場合は意外と早くわき芽は伸びるようになります。植物がもつ「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)のメカニズム」が働くからだと思います。
ちなみに『頂芽からは植物ホルモン・オーキシンが分泌され、側芽(そくが:わき芽)の成長を促進する植物ホルモン・サイトカイニンの働きを弱め側芽が成長するのを抑制しています。しかし頂芽を切り取るとサイトカイニンの働きが活発になり、側芽が即座に動きだし新たな頂芽となる。』という仕組みです。
最近知ったことですが、苗を植え付けた直後は第1花房までのわき芽はすぐには摘まず、ある程度伸ばしたままにして、水やりを控えながら管理すると根張りが良くなるそうです。以降の成長には差が出るというからほっとけない情報です。
今年もそうでしたが、これまでも植え付け直後から目を皿のようにして芽を探しては摘んでいました。今後はぜひネバリ強く試してみたいと思います。
挿し木苗を作ってこれから植え付けようという方は上の「その5」の管理方法はいかがでしょうか。もちろん植え付けるタイミングは1番花が咲く頃です。早すぎると成長が旺盛になり過ぎ、遅すぎると実の付きが悪くなるそうです。1番花が咲く頃がちょうど充実した苗だということです。
挿し穂の確保だけならいつでもOKなんでしょうが、わき芽かきは天気の良い日に行うのがセオリーです。トマトに限らないことですが、折れ口(切り口)を早く乾燥させてウィルスの侵入を防ぐには乾燥した晴れの日が良いですね。“乾燥した空気”とは「目安として湿度がおよそ50%未満の状態をいう」(気象庁)そうです。雨の日にしたら即感染、ということでもありませんので“念のため”程度でしょうか。
知ってる限り、思いついた限り、過去記事も拾いながら内容をまとめてみました。「わき芽」ネタだけで7段いきました。大玉トマトなら芯止めされてますね。
トマトを栽培するうえで手間といえば「わき芽かき」と「誘引」くらいでしょうか。手間という程でもありませんが、放置するとアッという間に伸びてしまいます。実を大きくするために、また風通しを良くし病害虫被害にあわないようかきとります。
悪者扱いしがちな「わき芽」ですが、うまく利用するケースもあるんですよね。
その1:1本残して2本仕立て


トマト棚方式で育てますので「2本仕立て」で行っています。わき芽を全部とって主枝1本だけで栽培するのを「1本仕立て」、わき芽を1本残して主枝との2本で行うのが「2本仕立て」です(トマト栽培を始めた頃はこの言葉の意味がよくわかりませんでした)。
すべての葉のつけ根からわき芽は伸びてきますが、花房直下のわき芽は特に成長が旺盛ですので、この性質を利用して第1花房直下のわき芽を伸ばして「側枝」にしています。ミニトマトは丈夫ですのでさらに3本仕立て、4本仕立て、実の品質を問わなければ複数本も可能ですが、本数が多くなればなるほど広い場所と管理する手間が必要になってきます。
このトマト棚は枝を4本まで吊ることが可能ですので1株の4本仕立てもできますが、苗にトラブルがあった場合に備えて「2本仕立てを2株」(計4本)としています。
その2:異常主茎した時の窒素「吸援隊」
一昨年は異常主茎・めがねに悩まされました。肥料過多(窒素)によって起こる生理障害で、窒素のフン詰まり症状です。めがね以降の花房では落花(果)や肥大不良が増えます。先週見つかった異常茎“めがね”の原因や症状などをネットから拾い集めました。 その前に今日の様子です 27日にご紹介した第4花房直下の“めがね”、少し窓が大きくなり褐変した箇所も見えます。なぜ“めがね”と呼ぶのか疑問でしたが、割れた茎の断面が8の字になって眼鏡のようだから...
対策の一つとして敢えて複数のわき芽を伸ばしジャングル状態にして根が吸い上げる窒素を分散させる作戦をとりました。急きょ株元に植えたネギ、種まきしたコマツナと共に窒素「吸援隊」として活躍、少し症状が治まってからわき芽の成長点を摘みました。
異常茎めがね①で原因や症状について拾い書きましたが、ミニトマト2本仕立て:異常茎めがね①症状 先週見つかった異常茎“めがね”の原因や症状などをネットから拾い集めました。その前に今日の様子です。27日にご紹介した第4花房直下の“めがね”、少し窓が大きくなり褐変した箇所も見えます。...
その3:芯止まりした時の替え芯


トマトは葉を3枚つけて花房を付ける性質があります(3葉1花房性)。実際は4枚や5枚出てくるのも珍しくはありません。が、葉が1枚か2枚で花房が付いたら要注意です!芯止まりといって成長点が無くなってしまい、以降花房ができなくなるそうです。めがね症状でも芯止まりを起こす場合もあるそうですが、そこまでの被害はありませんでした。
もし芯止まりになっても慌てずに済むように、先端の花房直下のイキの良いわき芽をスペアとして少しの間温存しておきます。万が一にも芯止まりしてしまったらこの温存わき芽を新たな芯にすれば良いのです。写真のように葉が3枚付いて花房ができているのを確認してからわき芽を摘んでも遅くはありません。通常わき芽は5cm以内で摘むのが良いそうで、このケースではまだ約4cmほどでした。
その4:頂芽を失うと側芽が即座に動き出す
上記「その3」が生理障害的原因なのに対して、こちらはうっかり先端を折ってしまったとか、オオタバコガの幼虫に茎に侵入されて先端が枯れたりする場合で、用心する度合いはこちらの方が高いです。ただ厄介なのは、これらを予測してわき芽を温存しておく、なんてことができない点です。でもまだ諦めなくても良いんです。わき芽は1回摘んでもまた同じところから出てきますからそれを利用するのです。
普段なら2回目からの成長はやや緩慢になりますが、先端の成長点を失った場合は意外と早くわき芽は伸びるようになります。植物がもつ「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)のメカニズム」が働くからだと思います。
ちなみに『頂芽からは植物ホルモン・オーキシンが分泌され、側芽(そくが:わき芽)の成長を促進する植物ホルモン・サイトカイニンの働きを弱め側芽が成長するのを抑制しています。しかし頂芽を切り取るとサイトカイニンの働きが活発になり、側芽が即座に動きだし新たな頂芽となる。』という仕組みです。
その5:根張り強くするために粘り強く待つ
最近知ったことですが、苗を植え付けた直後は第1花房までのわき芽はすぐには摘まず、ある程度伸ばしたままにして、水やりを控えながら管理すると根張りが良くなるそうです。以降の成長には差が出るというからほっとけない情報です。今年もそうでしたが、これまでも植え付け直後から目を皿のようにして芽を探しては摘んでいました。今後はぜひネバリ強く試してみたいと思います。
その6:さしずめ挿し芽に
うっかり摘み忘れたわき芽がありましたので挿し木してみました。 木本植物は「挿し木」、草本植物なら「挿し芽」と呼び方を変える場合もありますが、拙ブログでは取り木や接ぎ木、株分けなど栄養繁殖(種子などからではなく根や茎や葉などの栄養器官から増やす方法)の一つの手法として...
番外編:わき目もふらずわき芽かくのは・・・
挿し穂の確保だけならいつでもOKなんでしょうが、わき芽かきは天気の良い日に行うのがセオリーです。トマトに限らないことですが、折れ口(切り口)を早く乾燥させてウィルスの侵入を防ぐには乾燥した晴れの日が良いですね。“乾燥した空気”とは「目安として湿度がおよそ50%未満の状態をいう」(気象庁)そうです。雨の日にしたら即感染、ということでもありませんので“念のため”程度でしょうか。知ってる限り、思いついた限り、過去記事も拾いながら内容をまとめてみました。「わき芽」ネタだけで7段いきました。大玉トマトなら芯止めされてますね。
- 関連記事