ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    シェフレラ(カポック)の取り木 ポットと赤玉土で

    2020年06月25日
    斑入りシェフレラのバランスが悪くなってきましたので、取り木してリフレッシュさせます。過去に乾かせて失敗したことのあるポットと赤玉土を使った方法で行いました。


    取り木とは

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    中間に枝がなく、間延びした格好になりましたので、上部の枝葉をまとめて生かしたいので、挿し木ではなく取り木で更新します。

    取り木は、枝や茎の樹皮を傷付けたり針金などで強く締め付けて枝の途中から根を出させ、親株から切り離して新たな苗を得る方法です。植物は栄養の流れを遮断されると、修復しようと組織を発達させて不定根を出そうとしますので、それを利用します。

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    高どり法

    取り木には高どり法、曲げどり法(圧条法)、盛り土法があります。曲げどり法はチロリアンランプの取り木でご紹介した、枝を曲げて地面に埋め込む方法です。

    今回は高どり法の環状剥皮という方法で、呼び名の通り環状にぐるりと樹皮を剥きます。剥き方によって「舌状剥皮」「半月削り」と呼ばれる方法もあります。

    ポリポット吊り下げ準備

    インドゴムノキの取りでは水ゴケを巻きましたが、現在手持ちがありませんのでポリポットを使った方法で行いました。過去に失敗したことがありますのでリベンジ戦でもあります。

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    準備するのは12cmポリポット、ビニールひも、ハサミ、ホッチキス。縁から鉢底穴まで切り込みを入れ、

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    ビニールひもを縁にホッチキスで止めます。1回だとスルッと抜けてしまいますので、ひもを折り返してもう一度ホッチキス(2重)すると丈夫に止まります。

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    環状剥皮(かんじょうはくひ)

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    木部にガツンと当たるまでカッターの刃を押し当て、樹皮にぐるりと切り込みを入れます。約2cm下(茎の直径の2倍が目安)にも同様にもう1本切り込みを入れたら縦にも切り込みを入れ、

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    木部だけになるよう樹皮を剥ぎ取ります。形成層が残っていたり、間隔が狭すぎると上下がくっついてしまい失敗することがあります。

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    剥皮部分が中央にくるようポットをあてがい、ホッチキスで止めます。

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    ビニひもを上部の枝に縛り、赤玉土(小粒)を投入し、水やりしたら完成です。水の重みでポットが下がるようでしたらビニひもで調整します。

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    水ゴケを使う方法よりも乾きやすいので、乾かないよう水やりをしながら発根を待ちます。普段は明るい日陰に置いていますので場所はそのまま、本体も通常通りの管理を行います。

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    8週間後に鉢上げ

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    【6月25日】8週間(56日)が経ちました。鉢底から根が出てきましたので切り離して鉢上げします。すでに形成層は遮断されていますので、直下から新芽(頂芽)が伸びています。

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    まずまずです。

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    鉢は5号プラ鉢の深鉢(口径よりも高さがある鉢)で、用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合。深鉢といっても16cmしかありませんので鉢底石は不要です。鉢底石の効果を期待できるのは6号(18cm)鉢以上からで、排水性の良い土をさえ使えば5号鉢以下では無くても問題ありません。

    取り木苗の剥皮部分から下は不要ですが、苗が安定するよう突っ張り棒としてそのまま切らずに使用します。残りの土を足し入れて、鉢を地面にコンコンしながらすき間ができないようにし、

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    最後に水やりをしたら植え付け完了です。鉢底から微塵が混じった濁った水からきれいな水が出るようになるまでたっぷり水やりしておくと、根腐れなどのリスクを軽減できます。

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    取り木は挿し木のように大量には作れませんが、挿し木にはできない大量の枝葉を付けたまま増やすことができます。少しワサワサしていますので、しっかり根付いたら矯正しようと思います。

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    シェフレラ取り木動画
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