ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    サルスベリの挿し木

     雑木盆栽の素材用に、今シーズンは色んなものを挿してみようと思います。落葉樹の挿し木適期は主に2~3月ですので、前回のハナモモに続いて今回はサルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)です


    栄養繁殖と実生繁殖

     挿し木や接ぎ木、取り木、株分けなど植物の一部(栄養体)を使って増やす方法を栄養繁殖と言います。実生繁殖(種まき)と違って、成長が早く親株と同じ性質の個体を増やすことができます。

     実生繁殖の場合、園芸品種の種まきをしたら違ったものが出現(例えば斑入りが消えてしまった…など)してガッカリすることがありますが、受粉の仕方で固有のものを作り出せるという醍醐味はあります。

     草本系(草花)の場合は挿し芽と呼ぶこともありますが、拙ブログでは栄養繁殖の一手法として全て挿し木と呼んでおりますので悪しからずです。

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    天挿しと管挿し

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     剪定で切り落とした枝の小山です。この中から太くて節間の詰まった充実した枝3本を挿し穂としました。長さは約10cm、前年枝です。

     挿し穂には、先端の芽(頂芽)を付けた「天挿し(頂芽挿し)」と、枝や茎の途中を使う「管(くだ)挿し」がありますが、昨夏に2度切りをしていましたので充実した枝の先端には芽が無く、全て管挿しになります。

     天挿しは発根しやすく、鉢上げ後も早い段階で樹形が整いますが、挿し木中に先端が枯れてしまうことがあります。管挿しは数を多く確保できますが、節や葉柄の付け根に葉芽が付いているのを確認しておく必要があります。発根はしたが成長しないというトラブルの原因になります。

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    挿し木の時期

     挿し木は季節によって「春挿し」「夏挿し(梅雨挿し含む)」「秋挿し」などに分けられます。一年の内では、暑すぎず寒すぎず、挿し穂には都合のいい湿度の高い梅雨時に行うのが一般的です。

     落葉樹は主に2~3月に行う春挿し、常緑樹は夏挿し、秋挿しで行います。アジサイやバラなど落葉樹でも夏挿しが可能なものもたくさんありますが、今回は春挿しで行いました。

     落葉樹の挿し木は落葉期に剪定した葉の付いていない枝を使います。夏挿しする場合は春に伸びた新梢が固まるのを待ってから、下葉を取り除き大きい葉はカットして挿します。

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    挿し穂のつくり方

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     切り口が滑らかになるようによく切れるナイフやカッターを用意します。先端を斜め45度にカットし、反対側の表皮も薄く削って形成層を多く出すようにしました。直径が7~8mmあり、固くてスパッと切るのに少々苦労しました。

     切りそろえたら直ぐに水を入れた容器に入れて水あげします。草本系は30分~1時間、木本系は1~2時間を目安にしています。茎が太かったので2時間水あげしておきました。

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    挿し床は赤玉土や鹿沼土

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     用意したのは駄温鉢と無菌の赤玉土(小粒)です。ふるいに掛けて微塵を取り除いています。先端の切り口が腐敗しないよう腐葉土や肥料は混ぜず、赤玉土だけを使います。他には鹿沼土などもよく使われます。赤玉土の方が土が乾き始める時の色の変化が大きいので分かりやすく、発根後の植え付け用土は赤玉土をメインにしますので、根が馴染みやすいこともあってこちらをよく使います。

     鉢に入れた後も、鉢底から濁った水が出なくなるまでしっかりと水やりをしておきます。終わったら事前に割りばしなどの細い棒を使って挿し穴を開けておくと挿しやすく、切り口を傷める心配もありません。

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    発根促進剤

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     サルスベリの挿し木は今回が初めてで難易度が不明ですので、念のために発根促進剤ルートンを使用しました。発根には植物ホルモン・オーキシンが関係しています。これは人工的に作られた粉末状の合成オーキシンです。

     挿し穂を指で弾いて切り口の水分を飛ばし、ルートンをまぶし、柔らかい筆で優しくなでて余分な粉を落とします。ダマのまま挿すと、土の中で固い塊になって切り口を塞いでしまうことがあります。

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    挿したらすぐに水やり

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     塗り終わったら直ぐに挿し穴に挿していきます。挿し穂の半分くらいを目安に深めに挿すと、茎からの蒸散を防ぐことができます。浅い挿し床の場合は、挿し穂を斜めに挿すと同じ効果が望めます。

     全て挿し終わったら再びたっぷり水やりをしておきます。こうすると、挿し穴と挿し穂の隙間が埋もれ、赤玉土と密着して挿し穂が固定されます。隙間があると土は湿っていても挿し穂自体は乾燥しやすくなります。

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    明るい日陰で管理

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     発根するまでは直射日光を避け、明るい日陰に置いて土が乾かないよう適時水やりをしながら管理します。風通しが良すぎると乾燥しやすく、葉の付いた挿し穂ならぐらつくことがあります。季節にもよりますが、室内だと逆に蒸れて腐敗することもあります。置き場所も重要です。

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    まとめ

     経験上わかったことは、挿し木で一番大事なのは先端をなめらかにカットすること、2番目は挿し床を乾かせないこと。根がない状態ですのでいかに水分をうまく吸わせるか、です。当たり前のことなんですがネ…。水やりを忘れることが多い?という方は水挿しが簡単です。

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     挿す対象によって使い分けるのが良いかも知れません。

     今回は水挿しも2本用意しておきました。発根していなくても暖かくなると新芽が展開し、発根したと勘違いを起こさないよう比較の対象にするためです。あわよくばこちらも無事発根してくれれば…

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