ときどきガーデニング&ときどき家庭菜園

    防衛本能 「植物の立ち聞き」

    2014年07月26日
     トマトを食害する虫について調べていたら、おもしろい研究結果がありましたのでご紹介します。

     植物は食害にあうと香り成分を放出して食害している虫の天敵を呼び寄せたり、周りの植物に危険を知らせ害虫への抵抗力を強めることは以前から知られているそうです。『植物間のシグナリング』(または「植物間コミュニケーション」とか「植物の立ち聞き」とも)と呼ばれているそうですが、そのメカニズムは明らかにされていませんでした。

     今年の4月、京都大学と山口大学のチームはトマトとハスモンヨトウの幼虫を使って実験をし、香りを受け取る仕組みの一つを世界ではじめて解明したそうです。

     葉をハスモンヨトウの幼虫に食べさせて、その葉から出る香り成分を浴びた(立ち聞きした)別の苗の葉に幼虫を乗せると浴びていない苗の場合に比べて幼虫の生育は抑えられ、卵から孵化したばかりの幼虫の生存率も低下したそうです。

     生成された物質を解析したところ、ある特定の香り成分に糖がくっついた物質だけが顕著に増加、その物質は虫に対して毒性を持つ化合物だそうです。葉から取り込まれた無毒の香り成分に、植物自身が体内で糖をつけることによって「毒」を生成・蓄積して防衛を強化しているというのです。

     詳細は『植物間の香りを介したシグナリングの仕組みの解明に成功』(山口大学)をご一読ください。 

     ↓下にデカいイモムシとミニカマキリの画像が出てきます。苦手な方はブラウザの戻るボタンを押してここでページを閉じてください。

    トマト1 トマト1
     先日葉の上に黒い虫の糞が散乱していました。オオタバコガの幼虫が実を食べているときの糞は緑色なので別モノです。落ちてきたであろう上の方を見ると葉は大胆に食べられ、先端には・・・

    トマト2 トマト2
     居ました、蛾の幼虫のようで5~6cmはありました。さらにもう1匹も近くに。数日前に3cmほどのを2匹退治しましたが油断していました。2度あることは4度ある、気を付けねば。カマやん、頼みますよ。このケースでも葉から香り成分を出して隣のトマトに危険信号を送っていたんでしょうね。

    トマト
     そこで思いつきました。収穫が終わった果房の下の葉は用済みとなり、風通しを良くするためにも摘み取っていましたが、その前に葉だけを切って香りの「擬似緊急危険信号」を出しておけば、これから登場するであろうオオタバコガの幼虫第1陣に対して「殺虫剤」を予め準備できるかも知れません。

     今日現在、千果A・Bとも主枝は第2果房、側枝は第1果房がすでに収穫は終わっていますので、まだ残っていた4箇所の葉を、害虫になった気分?で所々ちぎっておきました。準備完了、いつでも来んかいオオタバコガ! あっ、やっぱ来たらいけんです・・・
     
     千果A・B共に葉をちぎり揉んだりしましたので、お互いが『あんたとこもヤラれましたか、うちもですワ』『気ぃつけとかなあきまへんナ』などと、「立ち聞き」ではなく「会話」が成立していたら面白いですがネ。